谷崎潤一郎ら多くの文人が愛した有馬温泉(神戸市北区)で、温泉客に文豪になりきって「自分史」などを執筆してもらおうというユニークな宿泊プランが登場した。
3~7日間のプランで、滞在中は、仲居さんらから「先生」と呼んでもらえ、最終的には自費出版も可能という。作家へのあこがれが強い団塊世代がターゲットで、企画した旅館協同組合は「文豪に思いをはせながら、思う存分、筆を走らせてみては」とPRする。
大都市近郊なのに自然が残る同温泉は、昔から作家に人気があり、神戸や芦屋に住んだ谷崎はたびたび宿にこもって執筆した。司馬遼太郎や吉川英治、松本清張らも投宿したという。これらの作家のファンが多い団塊世代の大量退職を迎え、同組合は「人生の節目に自らを振り返ってもらおう」と考えた。
プランは今月からスタート。〈1〉構成を考える2泊3日の「目次設計コース」(宿泊費別で1万5000円から)〈2〉ダイジェスト版を完成させる4泊5日の「文豪体験コース」(同)〈3〉手持ち原稿を校正し、出版計画を立てる6泊7日の「出版実現コース」(同3万円から)――の3種類で、組合加盟の26の旅館・ホテルで実施する。