10ミリ秒とメモリ同期
東証が2009年後半に稼働予定の次期システムのレスポンスタイムが10ミリ秒となっているのは、東証が提示したRFPにそう書いてあったからなのね。あと、次期システム稼働に合わせて、セカンダリのセンターも稼働させる予定。
で、富士通は「10年先にも世界最高水準を維持できる」システムを構築するため、Itanium2が載った基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を3重ノード化(本番1、待機2)し、これをクラスタ化して、11前後用意する予定。稼働OSはLinux。
次期システムでは板の取引データと業務用アプリをすべてメモリーに展開して実行するメインメモリ方式を富士通は提案し、採用された。メモリは最大2テラバイトまで拡張可能。10ミリ秒以下の応答時間を実現するために、 富士通はメインメモリ方式を実現するためのミドルウェアも新たに開発する。これで、ハードディスクに書き込むのはログ程度になる、のだそうだ。
1クラスタで処理できる注文処理を1日5600万件以下とし、システム拡張はスケールアウトで対応。当初は11クラスタ構成のため、システム全体の処理能力は6億件超となる見込み。現行システムの処理能力は1日1500万件(7月17日に1400万件から1500万件に増強している。ちなみにNASDAQは8月16日に過去最高の37億3000万件を処理したとのこと。NASDAQはHPのNonStopサーバを使ってる)。
問題は、3重化されたノードでメモリーの同期をとるためのミドルウェアが2007年1月の時点ではまだ存在していない点。富士通は遅くともシステムの検収が始まる2009年1月までに、このミドルウェアを開発する必要がある。富士通はこのミドルウェアを開発することで、インフラ系システムの脱メインフレームで他の案件も勝ち取っていく戦略、らしい。
ただ、メモリ同期なんてことしなくても、レスポンスが10ミリ秒台の証券取引所はLSEのTradElectなど現時点で既に存在する。ITProの報道を見ると、TradElectはOSにWindows Server 2003を採用。アプリケーションは.NET環境でC#を使い構築。ハードウエアは米HPのIAサーバー「ProLiant」を採用。テスト用などを含め120台導入。構築費用は不明だが、現地報道によれば92億円。
(参考資料 東証システム、全面刷新の真相
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070110/258390/)